機構運動工学研究室
Mechanism and Motion Engineering Laboratory

ヒトの動作特性の不思議を知る

ヒトは骨格と筋肉の構造を基にして様々な動きをすることができますが、詳しく観察すると不思議な動きをしています。本研究室では、ヒトの動作に含まれる不思議な未知な特性を発見し、ヒトの動作について理解を深める研究をしています。例えば、ロボットなどをジェスチャーで操作する際のヒトの動作について理解を深めることで、操作のしやすい直感的操作システムを実現することを目指した研究をしています。

ヒトの腕の動きでロボット操作

ヒトの腕の動きでロボット操作

操作者が腕を動かすとロボットアームも同じ動きをするという操作方法であれば、容易に操作できると考えられます。本研究では、その際に操作者が意図した腕の動きと実際の腕の動きの違いを調査し、操作者が手の位置を左右方向や上下方向に真っ直ぐ動かそうとしても、実際の動きは凸の曲線状の動きをする傾向があることを明らかにしました。

Masaharu KOMORI*, Takayuki UCHIDA, Koji KOBAYASHI and Tatsuki TASHIRO, Operating method of three-dimensional positioning device using moving characteristics of human arm, Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing, No.1 Vol.12, (Released on J-STAGE January 19, 2018), (18 pages).

ヒトの人差し指の動きでロボット操作

ヒトの人差し指の動きでロボット操作

人差し指は器用さの点で優れていますので、操作者が人差し指を動かしてロボットの動きを操作すると操作しやすいかもしれません。本研究では、操作の際の人差し指の動作について詳しく調査し、人差し指の動作の特徴を明らかにしました。また、その特徴を考慮して、人差し指の動作で直感的に操作できる操作法を開発しました。

Masaharu Komori*, Koji Kobayashi, Tatsuki Tashiro, Method of position command generation by index finger motion to mitigate influence of unintentional finger movements during operation, Precision Engineering, Volume 53(2018-07), 96-106, 2018-03-09 (Available online).

ジェスチャー操作とボタン操作はどちらが操作しやすいか

ジェスチャー操作とボタン操作はどちらが操作しやすいか

工場などでロボットの操作に多く用いられているボタン式操作法と、操作者が腕や手を動かしてその動きに基づいて操作するジェスチャー式操作法を比較評価するため、仮想空間内で仮想的な対象物を操作する評価システムを提案しました。また、実験の結果、ジェスチャー式操作法はボタン式操作法よりも、作業にかかる時間や主観的な評価の点で優れていることを示しました。

Masaharu Komori, Tatsuro Terakawa*, Ikko Yasuda, Operability Evaluation System and Comparison Experiment of Gesture Operation and Button Operation of Robot Manipulator, IEEE Access, Volume 8 (2020-01-31), 24966 – 24978.

操作者がロボットを見る方向が変わることの影響

ロボットを操作する際に操作者がロボットを見る方向が変わることは多くあります。そのような操作者の視点の変化が操作性に与える影響を評価するため、仮想空間内の評価システムを開発しました。これを用いた結果、このような操作状況では、ジェスチャー式操作法は主に非操作時間が短い点でボタン式操作法よりも優れていることを明らかにしました。

Qiang Yao, Tatsuro Terakawa*, Masaharu Komori, Hirotaka Fujita, and Ikko Yasuda, Effect of Viewpoint Change on Robot Hand Operation by Gesture- and Button-Based Methods, Journal of Robotics and Mechatronics, No.6 Vol.34, (December 20, 2022), 1411-1423.
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