機構運動工学研究室
Mechanism and Motion Engineering Laboratory

ライディングロボティクス

Riding Robotics
パーソナルモビリティなどの小さな乗り物を対象とする、ライディングロボティクスという研究分野があります。我々の研究室では、新しいメカニズムや機能を持った乗り物や、エンターテイメントを目的とした乗り物を提案、研究しています。

どの方向にも移動できる乗り物パーモビー

図1 真横にも、どの方向にも移動できる乗り物Permovehと全方向駆動車輪の動作

本研究で開発した一人用の乗り物パーモビーは、どの方向にも移動可能なアクティブオムニホイールを用いることにより、前後だけでなく真横にも斜めにも移動することができ、また、その場で回転して向きを変えることができます。これにより、狭いスペースでの移動などが簡単になります。

Masaharu KOMORI*, Kippei MATSUDA, Tatsuro TERAKAWA, Fumi TAKEOKA, Hideaki NISHIHARA, Hiroo OHASHI, Active omni wheel capable of active motion in arbitrary direction and omnidirectional vehicle, Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing, No.6 Vol.10, (Released on J-STAGE October 24, 2016), (20 pages).

解説はこちら

前後左右に移動可能な省モータ2輪駆動型移動装置

Tatsuro TERAKAWA, Masaharu KOMORI*, Mitsuru SAKAMOTO, Yuji KAWATO, Yuya MORITA and Yugo NISHIDA, Two-wheel-drive Vehicle That Is Movable in the Longitudinal and Lateral Directions with a Small Number of Motors, JOURNAL OF JAPAN SOCIETY FOR DESIGN ENGINEERING, Vol.54, No.2, (Advance publication date:29 October 2018), pp.145–160.

シームレスアクティブオムニホイール式ビークル

シームレスアクティブオムニホイール式ビークル

いつでもどの方向にでも移動できるアクティブオムニホイールは正確な移動がしやすいという利点がありますが、従来の設計では振動や騒音、部品点数の問題がありました。本研究では、外周に継ぎ目がなくシンプルな構造を持つ新しい車輪を開発しました。これを搭載した移動装置を開発し、実験を行い、その有効性を検証しました。

Tatsuro Terakawa, Masaharu Komori*, Yuuta Yamaguchi, Yugo Nishida, Active omni wheel possessing seamless periphery and omnidirectional vehicle using it, Precision Engineering, Volume 56(2019-03), 466-475, 2019-02-08 (Available online).

摩擦駆動ローラを用いる全方向移動乗り物

摩擦駆動ローラを用いる全方向移動乗り物

樽型ローラをもつアクティブオムニホイールは走行時の振動を抑制できますが、摩擦駆動を使うため、伝達ローラと外周ローラとの間に滑りが生じる場合があります。本研究では設計パラメータが振動と滑りに及ぼす影響を調査しました。動力学モデルを確立し、シミュレーションした結果、外周ローラの支持機構の柔らかさと設置角度が滑りと振動に影響することが示唆されました。

Siying Long, Tatsuro Terakawa*, Mahiro Yogou, Rintaro Koyano, Masaharu Komori, Kinetic Analysis of Active Omni Wheel With Barrel-Shaped Rollers for Avoiding Slippage and Vibration, Journal of Mechanisms and Robotics, Volume 16, Issue 5, (Published Online: June 9, 2023), (051002) (11 pages).

アクティブオムニホイール式Single-track vehicle

アクティブオムニホイール式Single-track vehicle

自転車やバイクのような従来のSingle-track vehicleは、ステアリングなしでは移動方向を変えることができません。本研究では2つの複列式アクティブオムニホイールを装備した全方向移動Single-track vehicleを提案しました。ロール方向の挙動についてシミュレーションにより調査したところ、姿勢制御なしでも10秒以上転倒せずに走行できる可能性があることがわかりました。

Siying Long, Tatsuro Terakawa*, Masaharu Komori, Yugo Nishida, Takumi Ougino, Yusuke, Hattori, Effect of double-row active omni wheel on stability of single-track vehicle in roll direction, Mechanism and Machine Theory, Volume 163 (September 2021)(Available online 14 May 2021), 104374.

ドリフト走行を体験できる装置

ドリフト走行を体験できる装置

タイヤを横方向に滑らせながら走行するドリフト走行は魅力的で、自分の運転によってドリフト走行をしてみたいと思う人がいるでしょう。でも、初心者には難しいです。本研究では全方向移動装置を用いて、初心者でもドリフト走行を自分の運転によって容易に体験できる装置を開発しました。実験を行い、疑似的なドリフト走行ではありますが、操縦の難しさを低減できることを示しました。

小森雅晴*・寺川達郎・扇野琢巳,ドリフト走行体験装置の操縦実験,第28回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集,(2023年9月14日).

人力前後左右移動体

人力前後左右移動体

搭乗者が手動で動かす車椅子は横方向の移動はできないため、狭いスペースでの移動ではユーザーに負担がかかっていました。本研究では搭乗者が手動により前後・旋回だけでなく左右方向にも移動できる人力移動体を開発しました。実験を行い、比較的少ない力で駆動できることを確認しました。また、走行距離や通路幅を変えて、左右移動機能がもたらす効果を評価しました。

Hiroki KATO, Masaharu KOMORI and Tatsuro TERAKAWA*, Human-powered vehicle capable of movement in the longitudinal and lateral directions, Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing, No.6 Vol.14, (Released on J-STAGE July 16, 2020), (16 pages).

全方向移動装置のコーナリング戦略

全方向移動装置のコーナリング戦略

全方向移動装置はどの方向にでも移動できるので、コーナーを曲がるときに様々な戦略をとれますが、どの戦略がよいのでしょうか。本研究では、全方向移動装置がコーナーを曲がる際に最小時間となる戦略について解析しました。結果は、移動方向変更中またはその後に車両が旋回する戦略が最も良いことを明らかにしました。

Siying Long, Tatsuro Terakawa*, Masaharu Komori, Takumi Ougino, Analysis of Traveling Strategies for Driving Omni-Wheeled Vehicle Around a Corner, IEEE Access, Volume 8 (2020-06-02), 104841-104856.
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